チミケップ 展葉の季節に
道東・津別町のチミケップ湖は、約1万年前の地滑りに起因する山地の堰き止め湖。アイヌ語の「チミケㇷ゚」は「山水が崖を破って流下する所」の意味だそうで、湖の成因をよくあらわしています。湖の大きさは長径2.3km、最大幅0.8km(面積1.2平方km)ほど。近隣で火山活動由来の阿寒湖や屈斜路湖と比較すると雄大さには欠けるものの、山地に囲まれた凝縮された森林の景観を見ることができます。
個人的には、学生時代、はじめて北海道でフィールド調査をしたのがこの森でした。その後、何回も訪れていますが、よい季節にあらためて歩きに行きました。
キャンプ場がある湖畔。静かな水面の標高は285m。緩やかな標高400-500mの山地に囲まれています。
そこから500mほど。湖の上流にあたる北端から西湖畔コースへ。
直径70-80cmに達する大径木がある針広混交林が広がっています。
津別は北海道の中でも林業が盛んな町。周辺では天然林が伐採されて人工林化が進んだ中、山地に囲まれたチミケップ湖周辺は幸いにも開発が遅れたようです。記録によれば林道が開設されたのは1962年。まだまだ天然林伐採の最盛期ですが、同時に鳥獣保護区に指定されたのは景観のすばらしさ故でしょう。一部伐採は行なわれたようですが、まとまった森林が残ることになったわけです。
アカエゾマツもときおり混交。
エゾマツと並んで、トドマツ。
よく発達した森です。倒木も多数。
倒木上を含め稚樹が豊富に見られました。
イチイ。
湿性地の広葉樹が混交。カツラ。
場所によりますが、針広比はやや針に偏る程度に見えました。
ハルニレ。
オヒョウ。
ヤチダモ。
ときおりハルニレ、ヤチダモなど実生。
が、稚樹層の広葉樹は著しく少なく、シカ害がそれなりにあると思われました。
歩道はよく整備されていましたが一部通行止めになっており、わずかな距離で引き返すことに。
湖岸。キャンプ場の向かいあたり。
シウリザクラ。
ナナカマド。
ホザキナナカマド。
オガラバナ。
イタヤカエデ。
シナノキ。
葉が丸まっているのはハマキガ? 稚樹が見られました。
シラカンバ。
ケヤマハンノキ。
エゾノカワヤナギ。
林床、オシダが優占する個所。
その中に、花期には早いかと思っていた クリンソウが咲いていました。
オオツリバナ、ヒロハノツリバナ。
ツルアジサイ、タラノキ。
ノリウツギ。
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いったんキャンプ場に戻って、次は東岸の見晴台コースへ。
二次林の林相。このあたりは一度伐採されたようです。
シラカンバ。
ダケカンバ。
ウダイカンバ。
ミズナラ。この森にはあまり多くない印象です。学生時代の調査は、林内に単木的に孤立したミズナラ大径木の周囲でミズナラ稚樹を探すという内容でした。そこに行ってみたいのですが…残念ながら資料ありません。
針葉樹の多い個所。
斜面で優占するのはトドマツ。引き続き、この樹種は林床に稚樹も豊富。
キタコブシ。
ホオノキ。
イヌエンジュ。
アズキナシ、ナナカマド。
サワシバ、アサダ。
ヤマモミジ。
ハウチワカエデ。
ミズキ、アオダモ。
ハリギリ。
ハクサンシャクナゲ。
ドウダンツツジ。
ゆっくり歩いて40分ほど。見晴台に到着。
気持ちよい風をたのしみました。
下り道。開けた個所。
エゾクサイチゴ。
ササは全体に少なめですが、クマイザサがときおり密生。エゾイラクサが優占する個所も。
ルイヨウボタン、カラマツソウ、ズダヤクシュ。
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くるまで45分、広い津別町の南東端。森林セラピー基地になっているノンノの森を散策。
この森の主役、クリンソウ。こちらはより多く開花していました。
歩道沿いの倒木更新もみどころ。
あちこちに稚樹が密生。
気楽に歩ける散歩道でした。
